FXでよく聞く為替介入とは一体何なのでしょうか?
この記事では、日銀の市場介入「黒田バズーカ」についても併せてわかりやすく解説していきます!
FXの為替介入とは
為替介入は、正式名称は外国為替平衡操作といいます。
また、外国為替市場介入とも呼ばれます。
為替介入とは、通貨当局が外国為替市場で通貨の売買を行い、為替相場へ影響を与えることです。
なぜ介入するのか?
その理由は、為替相場の安定化です。
相場が急激に変動することを抑えて、安定させてくれるのです。
例えば、このチャートを見て下さい。

これは、2010年9月に行われた為替介入です。
この時期、円は10年以上ぶりの超円高が続いていました。
それが、数時間でこのようにもの凄い調子で上がり始めます。
なんと、この時の介入は史上初である1兆円以上でした。
では、為替介入は一体誰が行っているのでしょうか?
誰が為替介入を行うのか
為替介入の権限は財務大臣が持っています。
そして、財務大臣の指示で、代理人として日本銀行が為替介入を実際に行います。
もちろん、為替介入は日本だけではなく、世界でも行われています。
しかし、為替を意図的に操作するのですから、慎重に行わなければなりません。
2009年にスイスで行われた為替介入は異常なスイスフラン安となってしまい、大混乱になる手前まで行きました。
これがその時のチャートです。

この為替介入は、別名「スイスフランショック」とも呼ばれています。
これにより、スイスフランを大量に保有していた投資家は大規模な損失を受けました。
「相場は何が起こるか分からない」という意識を強く投資家に認識させる事件でした。
でも、急に為替介入があってからでは遅いですよね。
事前に知る方法はあるのでしょうか?
いつ為替介入があるのか
残念ながら、いつ為替介入があるかは投資家にはわかりません。
しかし、先ほどお話したように、介入するのは相場が急激に変動しているときです。
したがって、そろそろ介入するかな?という大まかな予想はつきます。
また、介入しそうな円高の水準になれば、あちこちでうわさが流れてきます。
日々ニュースを見るなど、アンテナをはっておく必要がありますね。
為替介入の資金はどこから出ているのか
為替介入は財務大臣の指示で日銀が行っていることは分かりましたが、その資金はどこから出ているのでしょうか。
通貨同士の売買ですので、円・ドル等が必要ですよね。
日本では、財務省所管である外国為替資金特別会計という資金を使っています。
急激な円高が起きた時・・・政府短期証券を発行してドルを買い、円を売る
急激な円安が起きた時・・・外為特会が保有しているドルの資金を売り、円を買う
このような資金の流れになっています。
日銀の市場介入「黒田バズーカ」について
黒田さんといえば、日銀の総裁、黒田東彦さんですよね。
黒田さんは2013年に総裁に就任して以降、日本の物価と景気の安定を守ってくれています。
アベノミクスの一つであるデフレからの脱却を目標にして、「物価目標2%」を2年間で達成するという異次元の金融緩和政策を繰り出しました。
具体的な金融政策はこの表をご覧ください。

このような思い切った政策は、アベノミクスでも重要な役割を果たしました。
金融政策の結果、円安・株高が進み、日本の景気は大きく改善しました。
黒田さんの功績ですね。
黒田バズーカとは
黒田バズーカとは、黒田総裁の指示の元おこなった、日銀の金融政策をいいます。
この金融緩和政策は3回あり、日本は急激に円安・株高になりました。
その勢いが爆発的であったことから、バズーカに例えられているのです。
実際にチャートで確認してみましょう。

3回の黒バズーカの時期は以下の通りです。
- 2013年 4月・・・量的、質的金融緩和
- 2014年10月・・・量的、質的金融緩和拡大
- 2016年 1月・・・マイナス金利付き量的、質的金融緩和
量とは、国債を買い入れて資金供給量を増加させることをいいます。
質とは、長期間金利を低下させる圧力をかけることをいいます。
この政策により、日銀はお金を多く流通させ、投資家に国債投資ではなく株式投資を行ってもらおうと考えたのです。
1回目のバズーカの時は、物価目標2%を表明した時でした。
2回目のバズーカは、消費税が5%から8%に引き上げられた時でした。
そして3回目のバズーカは、中国の景気が高まっていて、さらに、アメリカからドル高の経済圧迫が始まった時でした。
次の黒田バズーカはいつなのか
次の黒田バズーカはいつ打たれるのかは、残念ながら分かりません。
しかし、黒田総裁は「必要だと判断すれば、躊躇することなく追加緩和政策を行う」と強気な発言をされています。
新型コロナウィルス感染拡大の影響で、今市場は不安定な状態です。
今後も緩和政策が起きる可能性は大いにありますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
為替相場の安定化のための為替介入ですが、世界でもあまり評判は良くないです。
そのため、今はあまり積極的には行われていません。
しかし、為替介入がいつ起きても大丈夫なように、情報収集は大切であることが分かりました。
FXを通して世界の経済事情にも詳しくなれそうですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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