FXを始めたばかりで、「ロスカットに気をつけろ」と言われて意味がわからず困ったことありませんか?
横文字で言われると理解しづらいですよね。
この記事ではロスカットについて解説しました。
この記事を読むとFX初心者が以下についてわかるようになります。
- ロスカットの意味
- なぜロスカットがあるかの理由
- ロスカットと追い証との違い
ロスカットとは損切りのこと
ロスカットとは、一般的に損切りのことです。
FX取引で、損がでているポジションを諦めて、損したまま決済すること。
英語では、loss=損害、cut=切るを意味するからです
たとえばドル円を100円の時に買いました。
90円に価格が下がり、持っていたポジションの含み損が-10円になります。
下降トレンドにいると判断し、これ以上損してはいけないと、私は-1,000円でこのポジションを決済しました。
これが、ロスカットになります。
強制ロスカットとは?
強制ロスカットはFX会社が強制的にポジションを決済すること
FXトレーダーがロスカットという場合は、「強制ロスカット」を意味することが多いです。
強制ロスカットとは、FX会社が強制的にトレーダーが持っているポジションを決済することです。
それには条件があり、「証拠金維持率」がFX会社の定める割合を下回った場合に行われます。

たとえば、ドル円を100円の時に1通貨買いました。
これをポジションAとします。このとき証券会社の口座に100円入っていました。
90円に価格が下がり、持っていたポジションAの価値が-10円になりました。
この時、証拠金維持率は2250%になります。
そして、このまま回復を待っていたら、なんと価格が4円にまで下がってしまいました。含み損は-96円です。
証拠金維持率を見ると100%を指していました。
証拠金維持率100%を下回ると、FX会社にもよりますが、一般的には強制ロスカットが入り、-96円で決済されます。
Aを購入時に、証拠金が4円必要ですので、証拠金(4円)+損益(96)円=100円 になり、口座残高と同じ額です。
つまり、これ以上損すると、口座残高を超える所で、強制的に決済されるのが強制ロスカットです。
FX会社からの借金を返すため強制ロスカットされる
なぜこのような仕組みになっているのでしょうか?
それは、FX会社からお金を借りてトレードをしているからです。
FXは信用取引と呼ばれ、FX会社よりお金を借りて行うもの。
そのため、本来では取引できない額のトレードが可能になります。
利益が出ている間は問題ありませんが、もっている資金よりも多くの損失が出た場合に、FX会社へ借りたお金を返せなくなってしまいます。
そこで返済可能な限界の時点で、強制ロスカットが行われるのです。
この限界点を決めるのが「証拠金維持率」です。
証拠金維持率は一般的に以下の式で計算されます。
- 証拠金維持率%=有効証拠金(純資産)/必要証拠金×100
- 100%=残高ー損益/証拠金×100
ロスカットで借金を抱えることはある
よく、「FXで損して借金してしまった」と聞くことはありませんか?
強制ロスカットなら、残高の範囲内で決済されるため、借金することはないと思いがちです。
しかし、ロスカットで借金をすることがありえます。
その理由を3つ説明します。
・維持率100%ですぐにロスカットにされない
・ロスカットタイミングがずれる
・スリッページが起こるため
維持率100%ですぐにロスカットにされない
1つめの理由は、ロスカット前にトレーダーへ通知が行き、すぐにロスカットされないためです。
お客に不足金額を追加させて、生き残るチャンスを与えるためです。
たとえば、証拠金維持率が100%を割りました。
そこで
「明日までに、口座残高を追加してね。そうすればロスカットしませんよ」
「しかし、維持率50%を切った場合、ロスカットしますよ」
といった内容の通知がきたりします。
さきほどのたとえで続けて説明するなら、50%でロスカットされると、決済に102円必要となり、2円借金です。
FX会社によっては、このようなことが起こります。
また、維持率100%未満でロスカットをする仕様のFX会社も存在します。
ロスカットタイミングがずれる
2つめの理由としてロスカットの実行が、瞬時に行われる訳ではないからです。
ロスカットはコンピューターが判定し自動的に行います。
そのため、たとえば判定を1分置きに行っていた場合、1分もあると、チャートがさらに下落していたということもあるでしょう。
スリッページが起こるため
3つめの理由として、スリッページの可能性があるためです。
スリッページとは、注文時に、注文した現在価格から、実際に購入される価格が少しずれることを意味します。
取引しているFX会社のサーバーの処理能力などにより、必ずしも狙った金額で決済できるとは限らないためです。
このような理由で、ロスカットしても借金する可能性が考えられます。
追い証はロスカットされないために支払うお金
ロスカット時によく出てくる言葉「追い証」とは何でしょうか?
追い証とは証拠金維持率が一定の数値以下になった場合に追加で支払う証拠金のことです。
追加証拠金の略で、「おいしょう」と読んでください。
また、追い証が必要な旨の連絡を「マージンコール」と呼びます。
ロスカットとマージンコールはともに、証拠金維持率が一定の数値以下の場合に行われます。
まず、追い証が必要な旨の連絡(マージンコール)が行われ、資金が追加されなかった場合、ロスカットが行われる流れです。
たとえば、証拠金維持率100%を下回った段階で、マージンコールがFX会社からトレーダーに行きます。
そして、追い証が支払われず、50%を切った場合、ロスカットが行われるといった具合です。
ゼロカットとはトレーダーに残高以上の請求をしない仕
ロスカットに似ている言葉にゼロカットがあります。
ゼロカットとは、正式にはゼロカットシステムと呼ばれ、強制ロスカット執行時に、トレーダーに残高以上の請求をしない仕組みのことです。
強制ロスカット実行時、「ロスカットで借金を抱えることはあるのでしょうか」で説明した理由で口座残高を超えて決済されます。
残高を超えてしまった分はFX会社が肩代わりしており、通常は請求が来るもの。
そうならないように、たとえ口座残高を超えて決済されても、FX会社が残高を超えた損失分は払う仕組みがゼロカットシステムになります。
先ほどのたとえですと、強制ロスカット執行時に、執行タイミングが遅れてしまい、損益が-100円の状態で決済されました。
すると、残高100円に対して、含み損100円+証拠金4円=104円となり、4円残高が足りません。
ゼロカットシステムを採用しているFX会社は、この4円分を請求しません。
ゼロカットシステムを採用している会社では借金をすることなく安心して取引できます。
まとめ
いかがでしたか?
- ロスカットは一般的には損切りを指す
- FXでロスカットは強制ロスカットを指す
- 強制ロスカットは証拠金維持率が一定以下になった時強制的に決済される
- FXは信用取引である
- 強制ロスカットで借金を抱えることがある
- 追い証は強制ロスカットされないために支払う証拠金
- ゼロカットは強制ロスカットされても残高以上払う必要がない仕組み
ロスカットの仕組みを知らないと、怖くてFX取引ができないのではと思います。
FX初心者を脱出するために、しっかり覚えておきましょう。
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