「少し高度な分析手法を身につけたいなぁ」「マルチタイムフレーム分析って何?」と思っていませんか?
FXの基本的な事がわかってきた段階で自然とそう思えたら、よい傾向です。
そんな方へ向けて、この記事では、マルチタイムフレーム分析とは何か説明します。
また、トレードへの取り入れ方も解説します。
マルチタイムフレーム分析とは
複数の時間足から分析する手法です。
マルチ=複数の、タイムフレーム=時間軸を意味します。
時間軸とは、FXでは「時間足」と呼ばれるチャート表示の分析単位です。
つまり、一つの時間足だけで見るのではなく、複数の時間足を同時に見る分析方法です。
たとえば、5分足で次のような表示がされているとします。

一見すると激しい上昇トレンドにいると思えますが、これを4時間足で見ると、レンジの範囲内でした。

このように、見る時間足が変わると、まったく同じタイミングであっても捉え方が変わってきてしまいます。
では、具体的にどのように分析していくのがよいか、それを説明していきます。
マルチタイムフレーム分析のメリットデメリット
細かい分析手順を知る前に、マルチタイムフレーム分析のメリットとデメリットを理解しておきましょう。
メリット
確信を持ってエントリーできる
一番大きなメリットは、確信を持ってからエントリーできることです。
複数の視点で得た証拠が、すべて「間違いない」と示した方向へエントリーするためです。
たとえば、30分足で上昇トレンドと分析しました。次に、4時間足でも上昇トレンドと分析できました。
二つの視点から同じ結果を示しているので、一つの視点(30分足)だけでトレードするよりも、より信頼性が高い分析結果を得ていると言えます。
そのため、確信を持ってエントリーできます。
どんな手法とも組み合わせられる
どんな手法でも組み合わせて使えます。
違う時間足で分析をするだけの手法ですので、あなたが今お使いの分析手法に組み合わせることが可能なためです。
たとえば、インディケーターとしてMACDを使用していた場合、クロスするタイミングで売り買いを行います。

普段は、30分足を使用しており、クロスしたタイミングで売り買いしていましたが、勝率がイマイチでした。
そこで、30分足と1時間足の両方でクロスになったタイミングのみ、トレードを行うことにしたところ、勝率が上がりました。
このように、同じ分析方法が複数の時間足で行えるのは、自分のトレードスタイルを崩さずに済むので、よい点ですね。
デメリット
エントリー頻度が下がる
確信を持てるときがなかなか来ないため、エントリー頻度が下がります。
複数の時間足で確信を得れるタイミングは、一つの時間足やインディケーターで確信を得るより時間がかかるためです。
たとえば、確実に上昇していると確信が持てるまでエントリーしないトレードスタイルとします。
「5分足、15分足、30分足、1時間足、すべてで上向きの時にのみエントリーを行う」と決めていた場合、
すべてが上向きだと示すことは希でしょう。
そのため、トレードできるタイミングが減ってしまい、勝率が上がったとしても稼ぎの絶対量が減るでしょう。
しかし、もしその手法で勝率が劇的にあがるのであれば、1回のロット数を増やせば、稼ぎも増えます。
コツコツ稼ぐのか、1回で大きく稼ぐのか、どのような作戦で行くのか次第で解消できます。
スマホでは分析しづらい
二つ目のデメリットとして、スマホでは分析しづらいです。
画面が小さくて、同時に違う時間足を見られないため、
スマートフォンの画面では、次のように一つの時間足しか見れません。


同時に複数の時間足を見て分析する手法のため、複数のスマホを所持して見比べるといった技を使用しない限りは、
パソコンで作業しなければならないのは、大きなデメリットでしょう。

なぜなら、外出時には対応できないためです。
マルチタイムフレーム分析のやり方
決まった手法は存在しない
マルチタイムフレーム分析は、複数の時間足から分析する以外は決まった分析手法が存在しません。
各々の好きなスタイルで分析するとよいでしょう。
とはいえ、初心者にはそれでは酷ですので、代表的な分析の考え方をここではご説明します。
長期の時間足からトレンドを把握、短期の時間足でエントリーポイントや、利確タイミングを見極める手法です。
長期では大きな流れを把握するのに最適ですが、細かい反発ポイントはわかりません。
一方で、短期で細かい動きを把握できますが、大きな動きを読むのは向いていません。
そのため、この2つを組み合わせるわけです。
順張りでタイムフレーム分析
具体的に説明していきます。
今回、梨乃は順張りで稼ぐスタイルとします。
まずは、トレンドの見極めです。
現在は1時間足で見た所、上昇トレンドと感じました。

そこで、順張りをするには、どこかのタイミングで入って買い注文を出す必要があるわけですね。
そこで、適当なタイミングでエントリーをしますが、その後、
上昇中でも「押し目」が存在し、上下動が行われだまされてしまいます。
これらにだまされないために、長期の足、1時間足でまだ待つべきなのかどうかを判断します。
1時間足ではまだ上昇トレンドのようでした。
そのため、15分足でチャートが下がってきてもそのままポジションを保持し続け、
1時間足のトレンドを信じたおかげで、かなり高値になったところで、売ることができました。

このように、複数の時間足を見ながら分析していくことがマルチタイムフレーム分析と言えます。
まとめ
いかがでしたか?
- マルチタイムフレーム分析とは複数の時間足を見る手法
- メリットとして
- 確信を持ってエントリーできる
- さまざまな手法と組み合わせられる
- デメリットとして
- 確信を持てるまでに時間がかかるため、エントリー回数が減る
- スマホでは分析しづらい
- 具体的なやり方の例
- 長期足でトレンドを把握し、短期足でエントリータイミングを探す
とお伝えしました。
とくに特殊なツールも必要になるわけではないので、手軽に取り入れられる分析手法です。
まずは、パソコンの画面で複数の時間足でチャートを開くことから始めてみましょう。
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